今年読んだ本のまとめ

はじめに

このブログ記事は、ととりにゃあ Advent Calendar 2021の14日目のために書かれました。嘘です。本当は自分が書きたかっただけです。

adventar.org

今年はまだ2週間ちょっと残っていますが、以下では「今年」を「2021年の01/01から12/14(記事公開予定日)まで」として取り扱います。また既刊等の情報もすべて12/14時点のものです。

統計情報

今年はちょうど150冊読みました。

月ごとの読書冊数

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月ごとの読書冊数

12月はともかく、4,6,10月にあまり本を読めなかったのが気になります。当時の日記を見返していたところ、ネット小説を読みふけっていたようでした。特に6月いっぱいを費やして1300万文字くらいあるネット小説を読んだのが効いています。またそれ以外の月も多かれ少なかれネット小説を読み続けてはいて、そちらに手を出す前の2019年と比べて1年の読書冊数は半分程度になりました。

レーベルごとの読書冊数

「一般書籍」とは「ラノベ以外」を指します。ここで言うラノベは、「そのレーベルから出版されるほとんどの本にイラストページが存在する」ことで定義します。また、「ラノベ単行本」とは、ラノベであって文庫本サイズでないものです。そういう判型のラノベを出版するレーベルは複数ありますが、まとめています。

以下、各レーベルのリストです。

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レーベルごとの読書冊数

ファンタジア文庫は常に強いです。僕自身追っているシリーズが大量にあると認識していますし、新シリーズも気になるものばかりです。他にはHJ文庫オーバーラップ文庫GA文庫も気になるものが増えてきたかなという印象です。一方、ファミ通文庫は一時期毎月のように新刊を購入して読んでいたのですが、最近はそもそも出版される本が少なくなってしまいました。

印象に残っている本たち

今年読んだ本(のシリーズ)の中で、自分にポジティブな印象を強く残したものを取り上げます。実質おすすめのラノベまとめです。

クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。(既刊3巻)

主人公がなかなか超人的で、ヒロインはそれに対抗心を燃やしていがみ合っていたのですが、その2人が親の言いつけによって結婚させられたところから始まる話です。基本的に馬が合わない2人で、結婚生活も初めはギスギスしてうまくいかない中、シリーズを通して徐々に徐々に歩み寄っている様子が見られ、微笑ましいです。また、ヒロインは勢いで結構なことを口走ったりしますが、それに対する主人公のテンポの良いツッコミが印象的です。

継母の連れ子が元カノだった(既刊7巻)

中学生の時に1年間だけ付き合っていた主人公とヒロインが、高校生になって両親が再婚した時の連れ子として再開する話です。ヒロインが高校入学を機にイメチェンし、以前とはまるきり変わった環境ではありますが、そんな中で中学生の時のことを思い出したり後悔したりしつつお互いへの好意を再確認していく模様が微に入り細を穿って描かれ、その慎重さが甘ったるく感じられます。2人とも読書家という設定です、そのあたりのオタクっぽい描写に力が入っていて、会話の中で一般書籍の名前など挙げられているのに気を惹かれます。

暇人、魔王の姿で異世界へ(既刊12巻、完結済み)

オンラインゲームで育てたキャラクターに乗り移って、ゲームの世界で無双する話です。またゲーム時代に共に遊んでいた関わりの深いプレイヤーも数人ゲーム世界にいるようで、なぜか乗り移った時間が大きく異なるらしく、先にゲーム世界に入って高い地位に上り詰めた友人たちを探し、彼らの抱える問題を、いまだ無名であるという自由な立場から解決していくという流れでした。普段は温厚な主人公ですが、仲間が苦しめられている場合はその力を振るうことを厭わず、その快刀乱麻を断つような様が爽快でした。

魔王2099(既刊2巻)

魔法文明にて圧倒的な強さを誇った魔王が滅び、機械の発展に伴い荒廃した世界に復活するという話です。まずもって世界観の精密な描写に圧倒されます。魔法と機械が融合し、そこにサイバーパンク的な要素も加わった設定に忠実に、街の風景はもとより人々の活動、製品、食べ物に生き物などもそれらしく描かれ、実際にネオンサインあふれる大都市にいるかのような臨場感が味わえました。最初は常識の違いに苦労する魔王ですが、だんだん適応していって、しっかりファンタジー的な魔法でその強さを見せつけてもくれます。

りゅうおうのおしごと!(既刊15巻)

最年少で竜王位のタイトルを獲得した主人公と、弟子の2人や師匠の一門など周りの人との関係と成長を描く将棋ラノベです。各巻で対局のシーンはどれもお互いの想いがぶつかり合う熱い戦いが見られますが、個人的には5巻いっぱいを使って行われた竜王位防衛戦が大好きです。秒読みに突入し極限の状況にある主人公の思い、苦しみ、その中でも燃やし続ける闘志が文章から伝わってきて、泣きながら読んでいました。

最近、藤井聡太竜王の四冠記念で4巻まで期間限定で無料公開されていました。もし五冠を達成したら5巻まで無料公開されるのでしょうか。そこまででもぜひ読んでほしいシリーズです。

現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変(既刊3巻)

現代人がバブル崩壊直後を舞台にした恋愛ゲームの悪役令嬢に乗り移り、そのままでは衰退していく実家やさらには日本経済を救うため、未来知識を使って奮闘する話です。幼い主人公の身に合わぬ活躍、それも政治・経済・エンターテインメントそれぞれの場での活躍が、読んでいて気持ちいいです。

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件(既刊5巻)

同じマンションの隣同士の部屋で一人暮らしをしていた主人公とヒロインが、ふとしたきっかけで関わりを持ち、互いに惹かれていく話です。もともとヒロインは学校でもあまり親しい人を作らず、周りの人と一線引いた立ち位置にいたのですが、主人公の誠実な態度に絆され、だんだん甘えるようになります。そのような可愛らしい姿に射抜かれつつ、何とか取り繕う主人公の内心にもニヤニヤできます。

ちなみに、「隣同士の部屋に住む主人公とヒロインの交流」を描くシリーズは他にもあって、僕はその設定が好みなのでどれも印象に残っています。以下に2シリーズ紹介します。

氷の令嬢の溶かし方(既刊2巻)

こちらは主に主人公が料理を作る側なのが特徴的です。ヒロインが甘えるというよりは主人公が甘やかすほうをメインに描かれていて、それに対してヒロインが喜んでいる姿を見てこちらも満足した気分になりました。

隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった(既刊3巻)

これは結構早い段階でお互いがお互いへの好意を自覚し、その後徐々に距離を詰める様が微笑ましいです。また、そのような関係を周囲に隠してはいるのですが、それでも無意識に出てしまうような行動の描写が琴線に触れたのを覚えています。

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(既刊3巻)

誰にもわからないと思ってロシア語で主人公にデレまくるヒロインと、ロシア語が通じるので全部聞こえつつ、バレないように表情を引き締めようと努力する主人公の話です。実はこの主人公、ロシア語が通じるほかにもなかなかハイスペックで、生徒会長を目指すヒロインをサポートするのですが、ほかの候補者との知略を尽くした選挙戦が手に汗握るもので面白いです。

D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる(既刊2巻)

過去に勇者を目指して努力を積み十分な能力を手に入れつつも、想像との違いから勇者となるのを止めてしまった主人公が、その能力に目を付けたヒロインたちに追われつつ、問題を解決していく話です。主人公最強モノで、物語の展開としては今のところ特徴的なものはないと記憶していますが、軽い筆致のセリフが心地よく楽しめたので、良い印象が残っています。

VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた(既刊2巻)

清楚系キャラとして登場しつつも配信切り忘れによって破天荒な本性が露わになった主人公の、周りのVTuberともコラボしつつワイワイと進行する配信の様子をメインに描かれる話です。配信に付くコメントにはネットミームが多く含まれ、文章的に読む人を選ぶと感じていますが、主人公たちがとにかく楽しそうに配信をしていて、読後感がかなり良いです。

サベージファングお嬢様(既刊2巻)

魔法が使えないながらも対人戦闘の技量で傭兵として名を馳せた主人公が死に、時代を遡って悪女として名高かった令嬢に乗り移る話です。傭兵時代の技量と、乗り移った体が持つ膨大な魔力を元に、そのままでは国が崩壊してしまうという歴史を変えようと奮闘します。普段令嬢として完璧なふるまいを見せつつも、戦闘時には傭兵時代の性格が表に出るギャップが面白いです。

日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人(既刊1巻)

謂れのない悪評を流されて学校で孤立していた主人公が、日本語がまだ得意でないヒロインが転入してきたのを機に複数言語を操れるなどのハイスペックぶりを見せつけ周囲を見返す、いわゆるざまあ系の話です。主人公は本当にいろんなことができるという設定で、その多才さが読んでいて楽しかったです。もちろんざまあ系ですから周りのキャラの描写もこちらのヘイトを向けるようなもので、それを見返す描写には正直爽快感を感じました。

サイレント・ウィッチ(既刊2巻)

圧倒的な才能を持ち、国で最強格の魔女でありながらもひどい人見知りの主人公が、学園に生徒として潜入して国の王子を護衛する任務を何とかこなそうと頑張る話です。引っ込み思案で小動物のような描写をされる主人公の可愛らしさと、その才能を遺憾なく発揮して問題を解決するかっこよさの二面性が魅力です。文章のテンポもよく、作中世界に引き込まれて主人公を応援しているような気持ちになりました。

かくりよの宿飯(既刊11巻、完結済み)

祖父が残した借金の形として幽世の鬼神に嫁に取られそうになった主人公が、代わりに食事処を開いて稼ぎ返済しようとする、という導入の話です。度々問題に巻き込まれる主人公が、これまでに築いてきた信頼関係と幽世にはない現世風の新たな料理を武器に解決していく中で、鬼神との関係も徐々に深まるのですが、主人公は鬼神に絆される側であり、その視点から描かれる心情が楽しめました。

お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について(既刊2巻)

タイトルの通りにお見合いをした主人公とヒロインですが、ヒロインに隠された事情を見抜き、ひとまず交際を始めます。そのように戦略的に始まった交際でありながら、だんだん惹かれあう2人の姿が描かれます。この作品が特徴的だと感じているのは、2人の実家が家格という概念が存在するくらいの名家であることで、しかも家格は主人公のほうが高いので、周りから政略結婚のように見られているようです。もちろんお見合いをしたのですから家は結婚に納得していますが、周囲の人の印象が問題で、そのような恋の障害がありつつ2人がどのように進展していくのか気になっています。

転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?(既刊2巻)

上で紹介した「継母の連れ子が元カノだった」の作者の別作品です。もともと主人公には病んでいる妹がいて、現実世界で歪んだ愛を受けていたのですが、これがファンタジー世界に転生しても続くという導入でした。妹は兄に逃げられたと感じ、転生してからは正体を隠して機会を伺っているのですが、主人公もそれを知っており、負けないように仲間を集めたり自分の能力を磨いたりして強さを追い求めます。単純なバトルシーンも効果的な見せ場が用意されていて読んでいて熱中するものですが、それ以外にもミステリ風味な頭脳戦が散りばめられていて、妹の正体を知らされていない自分も主人公と一緒になってドキドキできます。

天才最弱魔物使いは帰還したい(既刊2巻)

作中世界に数多ある種族の中でも最弱とされる種族の主人公が、他者を使役する魔物使いという職業を得て最強になる……なった後の話です。こう書くと使役する者の強さを借りているだけに思われて、もちろんそれがないとは言いませんが、主人公は肉体的にこそ最弱な一方、精神面を鍛えに鍛えてまさに最強の名にふさわしいものであったとわかります。実際、1巻では身一つで遠く離れた街に転移してしまった主人公が、その知略によってまた名を立てる様子が描かれます。肉体と精神のアンバランスさ、また極端に生き急ぐ性格が主人公の魅力で、特に2巻では人智を越えた洞察力を見せつけられ、終盤はハラハラしっぱなしでした。

灰原くんの強くて青春ニューゲーム(既刊1巻)

高校デビューに失敗し灰色の青春を過ごした主人公が、大学4年生も終わるぐらいで高校入学直前の自分に乗り移るところから始まる話です。前回の失敗を糧に自分を磨き、また他の人より7年分多い人生で培われた能力もあって見事無自覚ながらハイスペックになった主人公が、読んでいていい気分になれます。また人間関係を壊さないようにと慎重に行動する主人公の視点では、何気ない学校生活の中にも微妙に緊張感があり、ただ無双するだけではない面白さがありました。

今年買った本について

上で、今年読んだ本のレーベルごとの冊数を見て僕が注目しているレーベルについて話をしましたが、どちらかというと購入した本のほうがよく特徴を捉えているかもしれません。月ごとの購入冊数とレーベルごとの購入冊数もまとめてみました。今年購入した本は249冊でした。

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月ごとの購入冊数

3月は地元の古本屋で豪遊した月です。8月も豪遊というほどではありませんが、古本屋で「かくりよの宿飯」シリーズを大人買いしました。あとはその月に出た新刊を逐一購入しているくらいです。

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レーベルごとの購入冊数

よく買うレーベルとよく読むレーベルは、当たり前ですがおおむね同じになりました。それにしてもMF文庫Jは積みすぎですが、これは途中から読み損ねている人気シリーズがどんどん新刊を出し、前の巻を読んでいないのにただ買うという行為を続けているからです。

データ元

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