2026/05/07-2026/05/12に中国・上海で開催されたThe 2026 Universal Cup Finalsに参加しました。チームはjapan406364961で、メンバーはNyaanさん・risujirohさん・自分です。
finals.ucup.ac
Standings for Universal Cup 2026 - Competitive Programming Hall Of Fame
maspyさんの参加記もあります。
maspypy.com
サムネイル
Universal Cup Finalsについて
Universal Cupという、主に中国の有志が運営しているチーム戦コンテストシリーズがあります。およそ一年ごとにシーズンが切り替わり、その集大成としてオンサイト決勝が開催されています。今回の大会は、2024年6月から2025年6月にかけてのシーズン3の決勝なので、「The 3rd Universal Cup Finals」とも呼ばれています。ちなみにシーズン1は決勝が存在しなかったため、大会自体は二回目の開催です。
Universal Cupで使用される問題セットは世界各国のチーム戦コンテストで出題されたものを集めており、ICPC関連がほとんどですが、Universal Cup自体に年齢制限はありません。そしてUniversal Cup Finalsは、すべての人が参加可能なチーム戦の世界大会として、過去まで見渡してもなお唯一無二の価値があるものと考えています。
決勝進出チームの選抜は、おおむね以下の三段階で行われます。
シーズン3におけるレーティングの上位10チームが招待される。
2025/08/24の午後8時から行われた準決勝で、すでに招待されたチームを除いて上位8チームが招待される。
作問などでUniversal Cupに貢献のあったチームのうち、運営の判断により2チームが招待される。
Qualification Rule of The 3rd Universal Cup Finals - Universal Cup
我々のチームはこのうち第一段階で招待されました。Universal Cupのシーズンレーティングは、高いパフォーマンスほど強く重みづけされる平均で算出されます。レーティング10位付近は接戦でしたが、最終回近くのStage 37で3位を取り、ギリギリ10位に滑り込むことに成功しました。
https://ucup.ac/archive/season3/rating/
実はNyaanさん主導で第三段階による選抜も狙っており、問題セットを作成して送ったところ、なんと一部が準決勝の問題として採用されました。
実は我々japan406364961は一部の問題のwriterを務めており、そのため不参加だった。
週記(2025/08/18-2025/08/24) - kotatsugameの日記
今年、決勝に進出した日本チームとそのメンバー(敬称略)は以下の通りです。また日本人参加者という意味では、ここにarvin and errogameチームのyuto1115さんも加わります。
HoMaMaOvO(maroonrk、maspy、hos.lyric)
yosupo(yosupo、sigma425、semiexp)
japan406364961(kotatsugame、Nyaan、risujiroh)
tonosama(tatyam、noshi91、potato167)
準備
02/18に決勝進出の案内が来ました。参加登録して、03/17にDiscordのDM経由で公式サーバーへの招待が届きました。それから少しあとにNyaanさんによって日本人参加者のみのDiscordサーバーも立てられ、もっぱらそこでやり取りしていました。
Universal Cup Finalsのメールが届いたので参加登録をした。
週記(2026/02/16-2026/02/22) - kotatsugameの日記
本来、金盾により中国国内からDiscordにはアクセスできませんが、参加者全員に香港のSIMカードが配られるため問題ありません。そもそも公式サーバーがDiscordにあるので、そこに接続できないはずがないということです。一応、VPN機能付きのポケットWi-Fiを持ち込んだ人もいました。
参加に際しての詳細な情報は、3月下旬にDiscordで送られてきたGoogleフォームに記入しました。日本人はビザが不要ですが、一応インビテーションレターを貰っておくことにしました。昨年入国審査で怪しまれた際、これを見せることで難を逃れた経験があります。
また、同じフォームに行きと帰りのフライトを入力する箇所もありました。これは希望を運営に伝えるためのもので、向こうで予約してもらうという形になります。
Universal Cup Finalsで上海に行くためのフライトを探した。
週記(2026/03/16-2026/03/22) - kotatsugameの日記
上海には「浦東国際空港(PVG)」と「虹橋国際空港(SHA)」の二つの空港があります。どちらを使ってもよいですが、運営のお勧めはPVGらしいです。ただしこれはおそらく規模の違いによるもので、距離的にはSHAのほうが会場に近いです。PVGは車で1時間半、SHAは40分程度とのことです。
仙台と上海を結ぶ直行便は昨年末から運休中だったので、自分も東京から飛ぶことになりました。いくつか候補を出し、皆でアンケートを取って、以下のように決めました。日本人参加者はほぼ全員が同じフライトを使用しました。
出発空港
出発日時
到着空港
到着日時
日本・羽田空港
05/07 11:40(UTC+9)
→
上海・浦東国際空港
05/07 14:00(UTC+8)
上海・虹橋国際空港
05/12 12:45(UTC+8)
→
日本・羽田空港
05/12 16:50(UTC+9)
この時間なら前泊・後泊の必要はありません……が、別件でどちらともすることになりました。また、仙台↔東京の移動については特に申請せず、お金を出してもらえるかの確認もしませんでした。
コンテスト
本番
VIDEO www.youtube.com
提出時のリアクションは以下のページにまとめられています。
scoreboard.ucup.ac
まずはコンテストに参加する環境について話しましょう。前日撮った写真と、当日運営が撮った写真を載せました。すぐ隣はtonosamaの座席で、前日のpracticeとHuawei Challengeのときは間に何もなく、意図せずともお互いの様子が見えてしまう状態でした。他チームからも改善の要望があり、本番時はチームフラッグが衝立のように立てられていました。
PCはVPNを使ってネットに接続されているのか、特にアクセス制限で困った記憶はありません。周辺機器としてはマウス、キーボードに加えWebカメラが二台接続されています。モニターの上のものが配信用で、机に立っているのは予備だと思います。マウスパッドはコンテスト後、お土産としてrisujirohさんが持ち帰りました。ちなみに同じタイミングでNyaanさんはチームフラッグを持ち帰りました。
前日のうちにセットアップの時間があり、Nyaanさんとrisujirohさんは持ち込んだキーボードやマウスを接続していました。昨年の経験からUSBの延長ケーブルやハブも用意していました。入力装置を複数繋いでおくことにより、座席を交代せずにPCを使えるのではないかと話しており、これは実際うまく機能したと思います。
我々のチームの座席(前日/当日)
前日、セットアップを済ませた状態でここを去ったので、本番の際は基本的に手ぶらで入場します。ホールの前に順番に並び、チームごとに呼び出されて出ていきました。大変緊張しました。背筋を伸ばして歩いたつもりだったのに首だけ前に出ていて不格好、また明らかにまばたきが多くなってしまいました。
VIDEO www.youtube.com
さて、いよいよコンテストが始まります。
The 3rd Universal Cup Finals - Dashboard - Contest - Universal Cup Judging System
自分はまず、真っ先にFAが出たE問題に取り組みました。dfs木を取ると 、bfs木を取ると が達成可能で、その間をうまく調整する問題です。dfs木からスタートして を減らす操作は、親への辺を後退辺に付け替えるものですが、葉から順に行えば周囲に影響しないことが分かりました。丁寧に実装し40分時点でAC。
それから30分ほどでNyaanさんがI問題を通しました。これはひどい問題だったらしく、答えが64bit符号なし整数でも収まらないため、128bit整数を使う必要があったそうです。
ここから2時間近くACがありませんでした。順位表でも次の問題が解かれるまでしばらくかかり、自分はしばらくDとHを往復したのち、ACが複数出たK問題に飛びつきました。
Lyndon文字列には自分の知らない性質がいくつもありますが、K問題はLyndonでない文字列について聞いているので、取っつきにくくは感じませんでした。先頭の文字の出現パターンを考えてみると、ほとんどのケースは即座に答えがわかるか、または最初の分割位置が一意的に決まります。後者については再帰的に解くことにすると、先頭の文字がstrictに大きくなるため、高々26回の再帰で終了します。
このあたりで解けたと叫ぶとPCの前を譲られましたが、そこから細部の詰めが思ったより複雑だと判明しました。その間にrisujirohさんがM問題を解けたそうなので一旦PCを明け渡すも、これは残念ながらRE。自分もぼちぼち詰め終わったので、またPCの前に陣取って実装を開始しました。ここからしばらくはキーボード二台で交互にコードを書き進めるような感じでした。
書き上げて提出するとなんとWA。愚直を書いてチェックしてみると、すぐ落ちるケースが発見できました。解法と照らし合わせたところ別に見落としていたケースではなく、単なるループの範囲ミスだとわかり、修正して再度提出し無事ACできました。それから10分くらいでM問題も通りました。こちらもなんてことのないミスだったようです。
ここでK問題の詳しい解法を書いておきます。先ほど述べた通りほとんどのケースはすぐ解決しますが、唯一困ったのは正規表現で言うと/^a[b-z]+a[b-z]+$/のようなケースでした。文字列全体を 、二つ目のa以降を と書きます。 ならそのままでよいため、 を仮定します。また とします。 です。
このとき、 のprefixを1文字以上 文字以下残すように分割することができます。まずこの範囲内で、suffixが自明にLyndonでなくなることがあるか判定します。ここでいう自明とは、先頭の文字より小さな文字が文字列中にあることを言います。
そうでなければ という大小関係が確定します。ここで、/^a+[b-z]+$/のようなパターンは、aが1文字なら即座に失敗し、2文字以上ならそれらを取り除いて再帰することしかありません。よって のうち最も右にある の直後で分割してしまってよいです。
時間はかかってしまいましたが、文字列アルゴリズムを一切使用しない線形時間のコードが得られて大満足でした。
さて、残り2時間あります。順位表では圧倒的にH問題が解かれており、我々のチームでもNyaanさんが担当して長い間苦しんでいました。こんなに解かれているなら三人独立に考えれば誰かは当たりを引けるだろうということで、それから相談もせずそれぞれ唸っていましたが、やはり何もわかりません。
諦めてNyaanさんから互除法という方針を聞き、自分でも細部を考えてみることにしました。なんとなくクエリ回数が足りてそうな気になったところで、残り時間が少なかったため詰め切らずに実装を開始したのですが、どう書くのが良いか全く分からず、迷走しているうちコンテストが終了してしまいました。
結局凍結後は提出がなく、EIKMの4完。ただし蓋を開けてみると、凍結後に順位を抜かされることはありませんでした。結果は18位で、残念ながら昨年より一つ下がってしまいました。優勝はUSA1でした。Yes/Noは閉会式のライブ配信で観ることができます。
VIDEO www.youtube.com
Huawei Challenge
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HuaweiはICPC WFなどでも同じ名前でマラソンコンテストを開催しており、Universal Cup Finalsでも同様です。昨年はLLMにクエリを投げる問題が出て、手元でテストできない上ジャッジシステムもまともに動いてくれず、とんでもなく不評でしたが、今年はいくぶんまともだったと思います。少なくとも何かが壊れているということはありませんでした。
問題の詳細はライブ配信に映っています。ここでは得点計算についてのみ説明します。ベースラインとなる貪欲アルゴリズムが定義されており、その解との相対スコアによって点数が決まります。提出を行うとテストケースごとに点数と終了コードを見ることができ、特に後者が開示されることによってテストケースハックの余地が大いにあります。
ベースラインの貪欲にはソートを用いる箇所があり、この比較関数をいろいろ用意してケースごとに使い分ける、というのが他チームの主な解法だったようでした。しかし我々のチームはこのベースラインの再現にすら失敗し続けており、先に結果から言ってしまうと23チーム中最下位、さらに唯一ベースラインを上回ることのできなかったチームとなってしまいました。
問題文中に定義されている通りの処理は計算量的に怪しく、高速化を試みていたためこうなったのですが、これが他のチームに競プロ力で負けていたことを表すかというと、そうでもないはずです。どうも実データから作ったテストケースしか存在せず、一部の値は制約の上限より非常に小さなものしか来ないようでした。
また、ベースラインを再現するのが最優先だと考えていなかったことも原因の一つでしょう。実はコンテスト時間が半分くらい経過した時点で高速化したベースラインの実装をほとんど完成させていたのですが、一箇所だけバグらせてしまい、正しい解を出力できていませんでした。
デバッグにどのくらいかかるか不明な上、順位表を見るにベースラインと一致させたところで上位に食い込めるとは思えなかったため、提案された新たな解法の実装に移ってしまいました。このときの上位は、おそらく先ほど述べた比較関数の微調整によるものなので、全くの見当違いでした。
1時間で新たな解法の実装を終え、正しい解が出力されるようになりましたが、かなり低いスコアとなってしまいました。解法が弱すぎるんじゃないかと思いつつデバッグしていたところ、一部貪欲に処理したいところでソートを忘れていたことを発見。修正して一気に改善したものの、まだベースラインに届きませんでした。このあたりで順位表が凍結されました。
ここで、前まで実装していたベースラインのバグを発見し、修正に成功しました。また、適当に投げているうち一部の処理を愚直に行っても間に合うことが発覚しました。しかしどれも時すでに遅し。このとき提出していたコードは比較関数を定義通りにし忘れており、合計点数としてはベースラインを下回るものでした。
今更ベースラインを完全再現したところでしょうがないだろうという話になり、残り時間は後半実装していた解法のソートの比較関数を変えて投げ続けていましたが、五分間の提出制限があるためあまり多くは試せませんでした。ベースラインでもこの解法でも、おそらくテストケースによって比較関数を使い分けなければベースラインを超えることはできないのだと思います。
結果は凍結前に22位だったチームのスコアすら抜けず、当日中に最下位が確定してしまいました。この日の実装はほとんど自分が担当しており、US配列に慣れることができたと思えばまあ得るものはあったのかもしれません。得るものと言えば、今回のHuawei Challengeは最下位まで何らかの賞が設定されており、我々のチームもHonorable Mentionでワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 6」を貰えました。
Huawei ChallengeのほうにもYes/Noがあり、本番のコンテスト同様閉会式のライブ配信で観ることができます。マラソンコンテストのYes/Noはスコアが上がった提出を順に見せていくというもので、あといくつ提出が残っているかわからないためかなり盛り上がりました。
優勝は、こちらもUSA1でした。表彰式前に行われていたChallenge Roadshowによればテストケースハックはしなかったそうです。
週記
05/07(木)
午前7時前、羽田空港近くのホテルで起床。China Arrival Cardを記入する、シャワーを浴びるなど準備を整え、午前9時前にホテルを出発した。
羽田空港に着いて各自チェックインを済ませたあと、時間があったのでmaroonrkさん、sigma425さん、maspyさんについて行って「せたが屋」というラーメン屋に入った。付近にある飲食店の中では安く、さらに24時間営業ということで、行きつけにしている人がいる。食事の席ではどういった流れかパソコン甲子園の話になったため、現在の予選はチーム二人が同じ問題セットにそれぞれ取り組み合計点で競う形式だ、という情報を開陳した。
ぼちぼち出国。今回使用する搭乗ゲートは第三ターミナルの奥のさらに奥、140番で、かなりの距離を歩かなければならない。思い返すと昨年も似たような位置にあるゲートが割り当てられていた。当時、乗っていた新幹線が3時間遅延した自分は、今日と同じ道のりをスーツケース片手に全力ダッシュし、乗り遅れた飛行機がボーディングブリッジを離れる様子を見届けたのだった。
出国ゲート付近でRoundgodさんに会った。彼は運営側の人間である。なんとなく見覚えがあるなと思っていたら、risujirohさんに、昨年の観光ツアー中自分たちが彼と一緒に行動したことを教えてもらった。今年から日本でポスドクをしているそうだ。早期修了か何かで一年スキップしており、年齢的には自分と同い年。
フライト時間は3時間ちょっとで、暇つぶしに苦労するような長さではない。機内エンターテイメントでミセスの曲を聴きつつ、スマホで日記を書いていた。機内食は一食出た。若干少なめという印象で、ハーゲンダッツがあるのは嬉しい。
機内食
上海到着。入国審査場に向かう通路に、いい感じの看板があった。
WELCOME TO SHANGHAI
お腹を壊してしばらくトイレにこもっていたら他の人より入国審査のタイミングが遅れてしまったが、特に質問などはされずスムーズに通過できた。指紋採取の際は端末から日本語で案内音声が流れていたのに、緊張していたのか右手と左手をずっと間違えていた気がする。
到着ロビーでプラカードを掲げた運営と合流。軽食の詰まったバッグを渡され、これを食べながら少し待っていてくれと言われた。それでベンチに座りいそいそと開封していたが、思いのほかすぐ移動を開始することになり、少々慌ただしかった。
空港からホテルまでは大型バスが用意されており、聞いていたとおり1時間半ほどで到着した。まずはホテルロビーに設営されていたUniversal Cupのブースで大会へのチェックイン。名札・グッズ・SIMカードのほかにメッセージカードを渡されたが、これはなんとチームごとに文章が異なっていた。
ブース/グッズ/我々のチームへのメッセージ
SIMカードは香港由来のもので、中国国内でも金盾に邪魔されずTwitterなどが使えるようになる。一方ホテルのWi-Fiなどからは接続できないため、このSIMカードはほとんど生命線とも言える。昨年はスムーズに設定できたが、今年は全然うまくいかず冷や汗が出た。別のSIMカードに交換してもらったら嘘のように速やかに繋がったのでセーフ。
大会Tシャツは期間中、つまり明日から四日間着用するよう言われている。二枚しかないので汚さないよう気を付けたい。サイズは事前に申請してあって、自分は正しいものが入っていたが、ほかの人は盛大に間違えられていた様子。申し出ると交換してもらえたり、あるいは追加で貰えたりしたらしい。
ホテルの部屋はチームごとに二部屋用意され、割り当ては向こうで決められていた。自分はNyaanさんとの二人部屋になった。トイレの便座が温かくて感動した。
ホテルの部屋
夕食まで少し時間があったので、ホテルの周りをぐるっと歩いてみた。ロビーのエントランスとは反対側に外に出られる扉があって、その先は川に面したちょっとした遊歩道になっている。川べりにはウッドデッキもあるが、この日は天気が悪くて風も強く、寒さで長居はできなかった。道なりに進むと地下駐車場の出口と合流し、エントランスに至る。もう半周は道がなくて行けない。
裏から見たロビー/ウッドデッキ/エントランス
ロビー隣のビュッフェスタイルのレストランで夕食。生野菜の味付けに、胡麻ドレッシングを始めとした日本でもお馴染みのドレッシング類が用意されているのが大変ありがたかった。バナナは小ぶりで味もあまり良くない。茶葉は周囲にお茶を淹れる道具が見当たらず、仕方なくカップに直接入れてみたが、当然飲みづらかった。
野菜コーナー/夕食
食後、今度はrisujirohさんを誘って散歩に繰り出した。まずはホテルを探検しようということで最上階から屋上庭園に行こうとしたのだが、残念ながら改装中で入れなかった。最上階にはほかに会議室やホールがある。見て回っていたら、一番奥にUniversal Cupの運営が使っていると思しき部屋を発見し、慌てて逃げ出した。
次はホテルの敷地を飛び出し、外を歩き回ってみた。辺り一帯は団地になっているようで、違いの全く分からないビルがズラッと立ち並んでおり、路上に面した一階部分は様々な店になっている。このとき午後8時ごろ、店はまだ営業しているが人通りはほとんどない。
来るときバスの中から見つけたファミリーマートに向かった。入店チャイムが日本のものと少し異なる。商品のうちいくつかは日本のパッケージをそのまま輸入しているようで、デカデカと平仮名・片仮名が書いてあったが、商品説明はちゃんと中国語訳されていた。risujirohさんにAlipayでアイスを買ってもらい、店の前のテーブルで食べた。
さらに進み、突き当りで左に二度曲がると、町の境界とでも呼べる道に出た。左手には片側三車線の道路に規則正しく並んだビル、右手には人の手が入っているようには見えない草の生い茂った原っぱ。団地とホテルのためだけに整備された区画だったらしい。
もう少し進むとホテルが見えてきた。夕食前のウッドデッキの写真に写っている橋のあたりまで来たことになる。そこから直接ホテル入り口に行くことは、残念ながらできず、来た道をぐるっと戻る必要があった。最後に暗闇の中光るエントランスの写真を撮って終了。1時間ちょっとの散歩だった。
ファミリーマート/アイスと街並み/町の境界/ホテル外観/夜のエントランス
我々が遊び歩いている間、Nyaanさんはライブラリの整備とGitHubへのアップロードをしていたらしい。ねぎらいの言葉をかけつつベッドに倒れこみ、即座に就寝。午後10時半だった。
05/08(金)
夜中目を覚ましてひっそりとシャワーを浴びた。
午前7時起床、朝食。会場は昨日の夕食と同じだが、メニューは少し異なり、刺身や蟹・海老・貝類などの海鮮が姿を消していたはず。濃い緑色で全体を水滴のようなものが覆っている野菜が登場し、これが大変美味しかった。あとから調べたらアイスプラントという野菜だった。
朝食
午前中は何も予定がない。自分は部屋に戻って寝たが、risujirohさんはタクシーで近くの観光地まで足を延ばしたらしい。
昼食も同じところ。当然あまりお腹が空いていなかったため、量を控えめにした。
昼食
午後からはいよいよ大会日程がスタートする。会場のある「Huawei Lianqiu Lake R&D Center」はバスで十分ほどという近さだった。開会式が行われるホールに入ると壁際に各チームの旗が並べられていた。昨年のものよりデザインが豪華で大きい。
チームフラッグ
VIDEO www.youtube.com
開会式が終わるとすぐ同じホールで基調講演が行われたが、最初からついていく気はなかったのでスマホを弄っていた。しかし途中でスライドを見ると、LLMを動かす際のメモリのレイテンシについて話していたようで、内容をかなり競プロに寄せてきた様子が伺えた。
外に出て集合写真を撮影した。このときUniversal Cupのロゴを持たされたが、これと自分の顔が両方見えるようにし、さらに周囲の邪魔をしないというのは若干難しかった。
集合写真/持たされたパネル
次はGarden Party。建物入り口のスペースにいくつかブースが設置されていた。各ブースでミニゲームをクリアするとマグネットが一つずつ貰え、台座となる大きなプレートに四つ集めることで景品が獲得できるというシステム。
数独1 、数独2 、数独3 、数独4 、数独5 のうち一問解く。ブースの係員にどれが簡単か尋ねたら「全部」と答えられたので、見た目がきれいなものを選んだが、具体的にどれだったかは覚えていない。しっかり苦労した記憶がある。
五種類のペンシルパズル(ナンバーリンク 、美術館 、四角に切れ 、ぬりかべ 、LITS )のうち一問解く。問題は「Face-off Puzzle Battle」という日本の大会で使用されたものらしい。
Face-off Puzzle Battle
唯一慣れ親しんでいる美術館を選択した。とある典型*1 を知っているのですぐ解けた。すべて初見だった人の感想では、五種のうち美術館が最も難しいとのこと。気になって後日自分も取り組んでみたが、ナンバーリンクが一番難しく、次いでぬりかべに時間がかかった。
台紙にローラースタンプを押すだけ。ありえないくらい下手くそで、掠れていることに加え上下もそこそこ欠けてしまったため、マグネットだけもらって台紙は置いてきた。
二メートル弱離れたところから矢を投げて箱に入れる遊び。五投して三本入ればクリアとなる。自分は最初の挑戦における最初の三投がすべて成功して、一発でマグネットを獲得できたが、十数回挑戦してようやくクリアした人もいるという話を聞いた。
マグネットを四つ集めて景品を貰いに行ったら、正しい順番に並べないとダメだと言われた。一切考える気がなかったのでその辺にいた運営の人にヒントをくれと言ったら、小声で「Tシャツ」と教えてくれた。それで、大会Tシャツの裏のイラストがマグネットに対応していることに気づいた。皆着ているからそこら中答えだらけなのに、なかなか気づけないものだ。
景品は押すと音の出るラバーダックだった。くじ引きのように中の見えない箱から取り出す形式で、デザインは選べない。さらに二つまで小道具を貰うことができ、自分はカウボーイハットとフリルカラーを選択した。
マグネットとラバーダック/大会Tシャツの裏
Garden Partyと並行してチームフォトの撮影が行われていた。かなり本格的な機材とカメラマンが用意されていて、入念にポーズ調整をされた。並び順まで決まっていたが、チームメンバーリストの順番と対応させるためだったらしい。このとき撮った写真は公式サイトから見られるほか、ラミネート加工されてお土産にもなった。
さて、各ブースを爆速で回り終えたため1時間ほど暇になった。ペンシルパズル全問制覇に挑戦している人もいたが、自分はrisujirohさんを誘って、またしても散歩へと繰り出すこととした。
ここはHuaweiの最も大きなキャンパスであり、中央の「Lianqiu Lake」をぐるっと囲むように各種建物が立ち並んでいる。開会式で流されたPVによれば、尖塔の天辺に星を飾った建物がメインらしい。すぐそこに見えているが、湖を遠回りして行ってみようということになった。しかし残念ながら一周するには時間が足りず、半分ほど行ったところで橋を渡って戻ってきた。
ユニークな形状だったり意匠を凝らした建物が多くあり、普通のビルでも色合いを変えてあって、日本のオフィス街のような四角四面な感じはせず、好奇心を刺激するような雰囲気に満ちている。ただしそれぞれが何の建物かは、外見からは一切わからない。敷地があまりに広大なため、至る所にレンタルサイクルがあり、また湖を一周するように電車が走っている。
星の建物/橋/湖/電車/星の建物正面
会場に戻ってきたらHuaweiの日本支部人事の方を紹介された。今回日本人が多く参加しているということで、急遽呼ばれたらしい。このあとも大会期間中一緒に行動する機会が多かったが、競プロのことはほとんど存じ上げておられないようで、結構新鮮な会話だった。
夕食は洋風と中国風の二種類の弁当だった。自分は中国風を選択した。ビュッフェに比べると華はないが、自分で一品一品食べるものを選ばなくてよいので楽。デザートのバナナは初日の夕食とは異なり美味しかった。
夕食
食後にもまだIce-breaking Partyというイベントが残っている。参加者全員が八グループに分かれてクイズに取り組み、点数で競うというもので、昨年Radewooshさんが持ち込んだ企画を公式に採用したようだ。同じチームの人は同じグループにいてはいけないと言われ、固まっていた我々日本チームも適宜ばらけることとなった。始まるまでの時間でありえないくらい長いアンケートに答えさせられたが、この結果をどこで使用したかは知らない。
クイズは五ジャンルあった。
有名競プロerの写真からハンドルネームを当てるゲーム。日本人としては、IOIとIMOのAbsolute Winnerを同じ年に取ったyutaka1999さんが出題されていた。ただ強いだけでなく、その強さが一目で分かる具体的な実績を持っている人が選ばれていた。
グループごとにお題を与えられ、ジェスチャーで表現する。当てたり当てられたりすると得点。我々のグループは「Stack Overflow」で、苦し紛れにトランプを受け渡して再帰呼び出しを表現してみたが、全然伝わらなかった。完全に諦めてしまったようなグループもあり、お題の難易度差は激しい。しかしその中でも、「Aliens Trick」はエイリアンの真似をする人と腕で傾きの単調性を表す人を用意しており、かなり伝わっていて感心した。
四択クイズが四問出たが、本当に何もわからず内容を全く覚えていない。全部Cで提出したら三問正解してひっくり返った。
Universal Cup シーズン3で開催されたセットの地名を書けるだけ書く。誤答には少しペナルティがある。自分は日本の地名すらあまり思い出せず、ほとんど貢献できなかった。中には七割以上当ててきたようなグループもあったようだ。
その他いくつかの問題。強烈に覚えているのが「 はある数列の値を一つ間違えたものです。直してください」というもの。何の数列か*2 を見抜いた人がいて、それを聞いた自分が間違っている値*3 を指摘した。
グループの結果は散々。移動までの待機時間中、ちょうどyukicoderのコンテストが開催されていたので、問題を開いて眺めていたところ、他の日本人がワラワラ集まってきてあり得ないくらいのスピードで解かれてしまった。このとき撮られていた写真が恐れ多くもお気に入りであるため、載せておく。ここで聞いた解法は、帰りのバスで細部を詰めたが実装はしなかった。
yukicoder 499 contest - yukicoder
yukicoderの問題を見る人々
部屋にたどり着き、シャワーを浴びてベッドでゴロゴロして寝た。午後11時過ぎだった。
05/09(土)
午前8時前起床。昨日までは曇り空だったが今日はよく晴れていた。朝食では麺に挑戦してみた。日本のラーメンを思い浮かべてしまうと、こちらはちょっと味気ないか。
青空/朝食
バス移動し、昨日とは違う建物に向かった。午前中はコンテストで使うPCのセットアップとpractice。会場に入ってみるとびっくり、ただでさえ隣のチームとの距離がほぼないのに、我々のチームはtonosamaの隣だったため会話も筒抜けになってしまう。翌日改善されていたのは上に書いた通り。
practice開始。Nyaanさんとrisujirohさんはそれぞれ込み入ったセットアップを必要とするので、何も必要ない自分が先に一問通しておくことになった。A問題が日本語の活用を扱った問題で、やるだけだったのですぐ書いたところ、なんとWA。サンプルで落ちていた。このペナルティについて、コンテスト後、わざわざやってきたerrorgornさんに煽られてしまった。
残り時間は二人のセットアップを眺めていたが、終了間際になって自分も.vimrcを数行書いておきたいということを思い出した。幸いpracticeが終わったあともPCを触り続けられたため、普段使っているものをサッと写しておき、さらにターミナルの透過度やフォントサイズも微調整した。
このため昼食の弁当確保には出遅れてしまい、ハンバーガー、ピザ、ラップサンドというラインナップのうちラップサンドしか残っていなかった。それにしてもジャンキーで手が油まみれになりそうなメニューばかり。テーブルなどを汚さないよう気を張って食べた。
昼食
午後はHuawei Challengeというマラソンコンテスト。詳細は上に書いた。昨年のものが本当にひどかったため、序盤は一切興味を持てず、考察用紙にできる限り綺麗に五十音表を書いて遊んでいた。
コンテストが終わってすぐHoMaMaOvOの座席のほうで歓声が上がっていたのは、maspyさんの誕生日祝いだったようだ。昨年は誕生「月」の人にケーキが渡されていたが、それより豪華に見える。さらにプレゼント付き。maspyさんの誕生日はまさに今日、この日だったため、特別扱いされたものと思われる。
移動して、今日はビュッフェ形式の夕食。ホテルとは異なり料理が中国っぽいものばかりで、あまり食指が動かなかった。maspyさんが貰ったケーキは日本チームでシェアした。次の移動まであまり時間がなく慌ただしかった。
夕食
このあとはホテルに戻るか、卓球をするか、ボードゲームをするかの三択。自分はボードゲームのほうに行ったが、日本人はほかにyuto1115さんしか来なかった。卓球のほうにも三人しかいなかったようで、明日の本番に備え早く休むのを選択した人が多かった様子。
会場はビルの一室。外は廊下にテーブルが設置され、また本棚もあって自習室のようになっていた。このような作りは他のビルでも目にすることができる。一度、気になってどんな本が並んでいるのか眺めていたら、「三体」という有名なSF小説を発見した。それで写真を撮っておいたが、後日検索したところ、これは飛び出す絵本になっていたらしい。
ボードゲーム会場入り口/「三体」飛び出す中国語絵本版
ここではテキサス・ホールデムで遊んだ。ディーラーはRoundgodさんが務めた。手札とコミュニティカードの存在は知っており、最初にチップの賭け方だけ教わったら一応プレイできるようにはなったが、弱すぎてお話にならなかった。
中途半端に賭けては恐れをなしてフォールドし、延々と手持ちのチップを目減りさせていく。一度手札で強めのペアができていたため、これはと思って初手で100チップ賭けたところ、皆一斉にフォールドしてしまった。しかしこれが唯一、手持ちのチップを増やせた回であった。
皆あまりにフォールドしまくるのでさすがに学び、途中からは自分も初手フォールドを繰り返すようになったが、すると今度は踏み込むべきタイミングがわからなくなった。手札の強弱が判別できない。それで踏み込んでみてもやっぱりひるんで逃げ帰るので、本当に散々だった。
午後8時になったのでABC457に参加した。ポーカーは初手フォールドばかりであまり負担にならないため続行。しかし参加者がどんどんチップを失い脱落していったため、途中で自分も残り少ないチップをオールインして勝負に出て、負けておいた。
Polaris.AI Programming Contest 2026(AtCoder Beginner Contest 457) - AtCoder
Dまではよい。Eはパターンが多く、サンプルを合わせるまで時間がかかった。その上でWAが出てしまってデバッグも長引いた。 ごとにクエリを処理しており、実装が複雑になっていたのも原因。Fは挿入dpを実家dpにする。Gは時刻と座標の二次元平面でイメージしてみるとChainが見えたので、Antichainのサイズの最大値を計算してみた。
FとGはそこそこ速かったと思うが、Eで詰まりすぎて44位。ともかく、なんとか移動前に全完することができてよかった。
帰りのバスは四人掛けの席に五人詰め込まれ、隣のturmaxさんと一緒にぎゅうぎゅうに圧縮されていた。turmaxさんは周囲の中国勢に英語の名詞についていろいろ聞かれていたが、せっかくの回答がちょっと流暢すぎて、傍で見ているとあまり伝わっていないような雰囲気だった。
部屋に戻ってシャワーを浴び、午後11時就寝。
05/10(日)
午前8時起床、朝食。生のフルーツが乗ったデニッシュがおいしい。アイスプラントも相変わらず良いが、やはり茶葉だけはどうやって淹れるのが正解なのかわからない。
朝食
バス移動して昨日と同じ建物に入った。いよいよコンテストが近づく。一昨日のGarden Partyのとき撮った写真を使って、コンテスト前最後のツイートを済ませた。同じ写真はこの参加記のアイキャッチ画像にも設定されている。スマホを含めた荷物を別室に置いて、入場。以降の話は上に書いた通り。
コンテスト後、五月生まれだったNyaanさんとrisujirohさんは、maspyさんが貰ったものと同じレゴのようなものを受け取っていた。今年は誕生日の人だけケーキ付きで、そうでない人はプレゼントのみということのようだ。
しばらく感想戦をしたり食事したりする時間があったが、自分は疲れ果てていたため、端のほうでお菓子をモソモソつついて糖分だけ補給していた。
昼食
続いてキャンパスツアー。まずは一昨日眺めた電車に乗った。コンテスト会場は建物の三階にあり、そこの二階が駅になっている。トイレに行っていてホームに着くのが遅れたが、どうも電車を待っている間に日本チームが集まって集合写真を撮っていたらしい。失敗。
電車の進行方向とは逆隣りの駅で降りたため、ほぼ一周乗ったことになる。そして向かった先はあの星の建物であり、中に入ることができた。キャンパスの中でもVIP Islandと呼ばれる場所らしく、Huaweiの企業紹介の展示があった。そこでしばらく話を聞いて、なんとツアー終了。思ったよりあっさりしていて、正直期待外れだった。
夕食は昨日とは別のレストランで、またビュッフェ。相変わらず中国系の料理が多く、軒並み茹でたり煮たりしてある。生野菜に準じると思ってトマト・スイカ・メロンを食べ、お腹が冷えたため温かいスープを飲んだ。potato167さんが都合によりこのあとすぐ日本へ帰ってしまうため、その前に日本人参加者全員と運営側数名で集合写真を撮った。
夕食
それから昨日のボードゲームの部屋に移動。トイレに籠っていたら出るのが最後の最後になり、中国勢に囲まれて移動することとなった。移動中急に周りが笑い出して、何事かと思っていたら親切な人に以下のような理由だと教えてもらえた。
入場時にchenjbさんが参加者の名前を一人一人読み上げたが、touristの本名「Gennady Korotkevich」が音声認識による自動字幕では「good night eat cold cabbage」になってしまったらしい。その時はあまりよくわからなくて苦笑いしかできなかったものの、改めて読み上げてみると確かに似ている。その後、tourist本人のDiscordアカウントの表示名もそれに変わっていた。
移動を終え、これから「Video Game Night」が行われる。内容は昨年と同じく、皆で「Everybody 1-2-Switch!」というゲームを遊ぶようだ。それならいいやと思って、もうすぐ始まるARC--219に集中していたところ、tatyamさんにLockoutでの対戦を持ち掛けられて、応じた。
AtCoder Regular Contest-- 219 - AtCoder
Lockoutなので変な順番で解くべきだろう。まずDを開くと典型Grundy数二種の組み合わせですぐ解けた。続いてBは簡単。
次のFは曲者だった。 を二進数で表記したときの隣接文字列のLCS分だけ得できそうだが、それだと制約がこの小ささである意味が分からない。とりあえず実装してみたところサンプルは合う。興奮して提出するも、案の定WAが出てしまった。
一体どういうケースで落ちているのか分からず考える気もないが、そういえば値が0になってからも操作できることを使っていない。そこで、二進数表記の先頭にLeading zeroをいくつか付けた場合の解をdpで求めることにした。すると一ケース落ちになった。もう何もわからなくて、苦し紛れに計算量が許す限りLeading zeroを付ける個数を増やしてみたら、なんと通った。
この時点で自分はBDFを確保し、もう一問通せば勝ちが確定する状態となっていた。しかもtatyamさんはまだCしか通していない。ちょっと申し訳ない気もするがAを解いて終わりにしようかな、と思って取り組んでみたら思いのほか面倒で、モタモタしているうち2分差でtatyamさんに取られてしまった。さらに立て続けにEもACされ、Gでの勝負に持ち込まれてしまった。
左右どちらか、あるいは両方の階段を使う定数個の状態を持ってdpするのだろうと思い、温かみのある手作業で遷移をベタ書きして提出したが全然合っていない。ランダムチェッカーを書いて落ちるケースを見つけ、手で解いたところ、考慮できていないパターンを発見した。しかしそれを状態に付け加えてもなお合わない。
そのうちバスが出る時間になって、コードを睨みながら乗り込んだ。tatyamさんとは少し離れた席に座っていたが、ホテルに向かう道中で向こうから歓声が上がり、自分の負けを悟った。ただここまで来たら意地なので、ロビーのソファに陣取ってなおも粘った。遷移の条件を付けたり消したりしていたら、奇跡的にACが出た。もう何が起こっているのか一切わからない。
残りのCとEも通そうと思い、とりあえず設定がほぼ同じらしいCに取り組んだものの、なぜかこれすら手間取って10分くらいかかった。残り5分でE問題をACするのはさすがに無理がある。そもそも問題自体は最初のころに読んであって、今の今まで何も思いつけていなかった。そのまま終了。
結局Lockoutで負け、またtatyamさんはGを通す前にBとDも通していて、通常の順位表でも時間差で負け。しかしこれだけ食らいつけたこと自体が望外の成績だと感じている。DとFのFAに加えて、Gを通しきれたのも絶好調だったことの表れで、全体7位だった。できればこの冴えを本番のコンテストで発揮したかった。
Eについてはtatyamさんに回す解法を、risujirohさんにハミルトン閉路を用いる解法を教えてもらった。
arvindf232さんが麻雀をするということで、Nyaanさんを引っ張ってついていった。場所はerrorgornさんの部屋。牌だけあってマットがなかったのでマウスパッドを使うことにし、一チーム分では足りないのでrisujirohさんを呼び出して我々のチームの分も持ってきてもらった。さらにyuto1115さん、moe.tsukiさん、baluteshihさんも到着して計八人集まった。
面子が集まるまでは、トランプを使って「ゲシェンク」というボードゲームを遊んでいた。かなり楽しかった。errorgornさんにルール説明をしてもらったが、残念ながらあまり聞き取れなかったので、yuto1115さんに通訳してもらった。彼にはこのあとも何度か助けてもらう場面があり、大変ありがたかった。
基本的には自分、Nyaanさん、arvindf232さん、baluteshihさんの四人で卓を囲んでいた。中国の麻雀牌なので一つ一つがかなり大きいが、積むのが少し大変なことを除けば、手に持った重厚感が心地よくてプレイしやすいと感じた。ルールは日本式、というより雀魂ルール。麻雀用語もほとんどそのまま通じた。
ここではNyaanさんがツキにツキまくっていた。最初の国士無双テンパイは自分が跳満で邪魔をしたが、なんと二度目のチャンスがあって、海底ツモでついに成就。さらに三人麻雀になってから、暗槓で槓ドラがモロ乗りしたかと思うとその嶺上牌で四暗刻を上がっていた。役満であることに加えて、その上がり方も劇的。
国士無双テンパイ/国士無双/四暗刻
この間、部屋にいたほかの四人は何をしていたかというと、飲酒コンテストをしていた。正確には、moe.tsukiさんはコンテストに参加せずお酒だけ飲んでいたらしい。何人かはもうヘロヘロになっていて、収拾をつけるのが大変だった。ペットボトルの水がなくなって、ホテル二階のジムに置いてあるものを根こそぎ持ってきたりした。errorgornさんの一人部屋なのでカードキーが一枚しかなく、なかなか身動きが取りづらかった。
errorgornさんが完全にグロッキーになってしまったため、お開きにした。移動させた家具を戻し、ゴミをまとめて午前3時ごろ退散。シャワーを浴びて午前4時就寝。
05/11(月)
午前7時起床、朝食。この日のフルーツデニッシュにはイチゴしか乗っていなかった。
朝食
バス移動して、午前中は講演を三つ聞いた。二つ目は近似アルゴリズムに関する話、一つ目と三つ目はLLMと競プロの関わりについてであり、大会初日の基調講演と同様、競プロに焦点を当てた話題を用意してくれたものと思う。おそらく昨年不評だった反省を活かしたのではないか。しかしそれはそれとして、睡眠不足で意識を失い気味だった。
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昼食は弁当で、中国風の一種類しか用意されていなかった。座ってばかりであまりお腹が空いていなかったが、気合いで完食した。左上の骨付き鶏肉は、人によっては中にまだ赤みが残っていて少々危険だった。
昼食
次の予定まで1時間ほど空いた隙を逃さず、また散歩。今回は十人くらいの集団となった。運営の人に確認を取って電車に乗り、ちょうど半周した駅で降りた。
この近辺には日本風の家屋が立ち並んでいる。日本風といっても窓が大きすぎ、また多すぎて、結構違和感がある。昨日車窓から見えたときに説明してもらったが、ここは外部の人を招くミーティングルームらしい。
日本風の家屋
一駅分戻ったところで次の予定が近づいてきたため、また電車に乗った。床が鏡張りのように風景を反射していてとても綺麗。こんなに綺麗な駅のすぐ上は、なんとフードコートになっている。そういう生活感溢れる景色から、階段を降りると一瞬でこんなに整然とした雰囲気に切り替わるので、ちぐはぐさを感じた。
駅
出発した駅に帰り着き、これで路線を真に一周したことになる。このキャンパスも十分満喫できただろう。開会式の行われたホールに入ってChallenge Roadshowと表彰式・閉会式に出席した。
Challenge Roadshowとは、Huawei Challengeの解法をいくつかのチームが発表する、言わば公式の感想戦である。事前に運営から依頼されていたチームと、その場で手を挙げて参加したチームがいて、HoMaMaOvOのmaroonrkさんが後者の枠で発表していた。提出コードの変数名に平気でunkoなど使っているので面白かった。確か昨年は発表したチームに対してスマートウォッチが配られたはずだが、今年はなかった。
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表彰式。Huawei Challengeはすべての順位に対して賞が存在するため、全チームが一度壇上に登る。最下位だった我々も賞状と賞品を貰った。Um_nikさんは彼らの順位で表彰されることが不満らしく、ほぼ同じ体格である-is-this-fft-さんの後ろにピッタリ隠れて写真に写ることを拒否していた。
本番のほうはメダルを獲得した12位以上のチームしか前に呼ばれなかった。韓国チームのeungeum gangが写真撮影でFakerポーズをしていた。
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夕食はコンテスト会場で宴会。回転テーブルのあるような本格的な中国料理は、期間中このときだけだった。一つのテーブルの定員は十一人で、日本チームが固まるには若干足りないため、コミュニケーションを狙って二手に分かれてみたところ、ecnerwalaさんとその祖父母三名がやってきた。運営に許可を取って連れてきたということらしい。
しかし結局自分はずっと日本人同士、というより両隣のNyaanさん、risujirohさんと会話していて、時折maspyさんがecnerwalaさんと話すのに耳をそばだてるばかりであった。一応、ecnerwalaさんへの自己紹介タイムは存在した。Nyaanさんは作問で名前を知られていた。
料理の中では、写真には写っていないがスープが非常に美味しかったのを記憶している。ワインは日本を発つ前日悪酔いしてひどい目にあったので、risujirohさんに押し付けた。
夕食
料理が余りまくるなか、終盤は皆立ち歩いて交流していた。我々のところにもadamantさんとerrorgornさんが来て、サインを書かせてもらった。errorgornさんは一日ですっかり回復した様子。自分がよくツイートしている例のワードも添えてくれと懇願されたため、それも渋々ながら書いてあげた。errorgornさんのほうがレートが高いから断りにくい。
errorgornさんと初めて会ったのは昨年6月、Midnight Code Cupでのことだったはず。当時何か言われたかはもう記憶していないが、その少しあとのIOI 2025では、少なくとも話題に挙げるくらいの興味を持っていたようである。今回のサインは、Telegramにある彼の個人チャンネルにもアップされていた。謎。
errorgornさんの持っていた紙には、他の人もサインとともに好き放題メッセージを寄せていて、中にはあまりよろしくないものもあった様子。彼は最終的にtouristのサインも手に入れたが、見せてもらうとメッセージは「???」になっていた。競プロに限らずリスク管理も上手らしい。
おそらく最後のツーショットチャンスなので、自分も出陣した。今回の狙いは運営トップのQingyuさんとchenjbさん。いつも忙しそうにやり取りしているか、中国勢に囲まれているかで、なかなか機会がなかったが、じっくり目で追っていると一人になるタイミングを発見したのですかさず突撃した。チーム名が特徴的なので把握してもらえていた様子だった。
ホテルに戻るともう公式のイベントはない。何人か集まってカラオケに行ったり、ロビー奥でボードゲームをしたりするようだが、どちらも少し苦手にしていて参加する勇気がなかった。行く当てを失い流されるまま部屋に入って、一旦シャワーを浴びたところでNyaanさんは電池切れになってしまった。
自分だけDiscordを監視し続けて、semiexpさんが暇そうにしているのを発見。合流して、ひとまず到着した日にも行ったファミリーマートまで散歩した。今度はsemiexpさんのAlipayでアイスを買ってもらい、ホテルに戻ってボードゲーム勢を眺めつつ食べた。
アイス
今更ボードゲームに混ざるのは難しいし、他に目ぼしい人もいない。自分はもう英語で会話するのすらしんどかったため、semiexpさんと一対一で話し込むことにした。話題にはちょうど、最近二人とも熱中している映画「超かぐや姫!」がある。大盛り上がりして、3時間ほどずっと話していた。
途中、午前中一つ目の講演の講演者だったRichard Pengさんに話しかけられた。どうもAtCoderのAI対策について聞きたくmaroonrkさんを探していたらしい。一応自己紹介をしたが、自分の名札に「Takahashi」とあるのを見てchokudaiさんと間違えられた。
日付が変わる前に部屋に戻り、しばらくして就寝。
05/12(火)
午前8時前起床、朝食。麺にもいくつか種類があって、そのうち汁なし麺が美味しいという話を聞いたので試してみた。実際、適切な塩気と辛みがあって味が濃く、日本の油そばに似ていて口に合ったため、二杯食べた。
朝食
荷物をまとめてチェックアウトし、空港まで大型バスで移動した。空港入り口は大渋滞していて、本当に間に合うのか怪しいと思ったほどだったが、車が詰まっていた区間はそれほど長くなかった。
帰りに使用する虹橋国際空港は少し小さめで、入るとすぐチェックインカウンターがあり、出国してからしか店がない。それも大体は免税の香水やらなにやらを売っているところで、大きな土産物屋は一店舗しか見つからなかった。そこで院生室用にお菓子を、自分用にしおりを買った。
お菓子/しおり
喉が渇いたので椰子水というジュースを買って飲んだら、空港価格で高いのに若干ぬるく、また微妙な甘さでやたら口に残るねばつきがあり、まったく口に合わず残念だった。
上海だからか、空港内のところどころにパンダの像があった。
パンダの像
我々が使用する搭乗ゲートの近くに電気屋があって、乗り物にもなるスーツケースを展示していた。店員さんのご厚意で乗せてもらうと、思ったよりスピードが出るのでびっくりした。
フライト中はまた機内エンターテイメントでミセスの曲を聴いていた。機内食は行きより量が多かった。
機内食
モタモタしていたら税関を抜けるのが最後になってしまった。皆出た先で待っていてくれて、一度別の方向に行きそうになったところをハンドルネームを呼ばれて合流できた。混雑している中、それほど大きな声ではなかったのによく反応できたものだと驚かれて、カクテルパーティー効果を実感した。
そのままぬるっと解散。夕食はsemiexpさん、Nyaanさん、risujirohさんと空港内のお好み焼き屋に行った。昨年の帰りも同じ店に行ったのを覚えている。semiexpさんからはドワンゴからの挑戦状やCODE FESTIVALなど、古い時代のオンサイトコンテストの話を聞くことができた。
夕食
持ち物
メモです。Yandex Cup 2025の際との差分のみ示します。
持ち物
Yandex Cup 2025 参加記 - kotatsugameの日記
追加
携帯髭剃り
今回はマスクを着けずに過ごそうと思っていて、身だしなみを整えるため髭を剃る手段を用意しました。
削除
本、歯磨きセット、印刷したEチケット、コンセント用スマホ充電器、単四電池
荷物が多く、またフライト時間が短くて暇つぶしの重要性が低かったため、本は持っていきませんでした。またスマホ充電器はUSB用ACアダプタとUSBケーブルで代替できることに気づきました。今回のホテルの部屋には例に漏れず給電用USBポートが備え付けられていたため、結局ACアダプタも使いませんでした。